カンパのお願い
日頃から八尾北医療センターの運営に理解と協力をいただき本当にありがとうございます。
とりわけ、新型コロナウイルスへの感染が身に迫る中で、八尾北医療センターが地域医療をどうやったら続けていくことができるかということを考え、議論し、行動してきました。みなさんも不安な日々を過ごしてこられたことと思います。そうした中で、1日も途切れることなく医療と介護を続けてこられたのは、八尾北医療センターと地域のみなさんの協力・団結した力があってのことだとつくづく感じています。
八尾北医療センターの敷地内に突然テントが設置された時には、驚かれ、恐怖を感じた患者さんもおられたことと思います。
熱があり、保健所に電話をした患者さんが「かかりつけ医に行くように」指示を受け、実際に八尾北に電話をされ受診されたことがきっかけでした。保健所は人も予算も減らされ十分な対応ができない状態です。今後もこうしたことが続くことが予想されました。話し合いをして、熱のある患者さんと他の患者さん・職員の動線を分けるためのテントを設置することをきめました。熱のある人はテントに待機してもらって、診察をすることにしました。
「コロナの患者が出たの?」と心配された患者さんも説明を聞いて「熱が出ても診てもらえるんやね」と安心されました。
他の病院では「聴診器をあてなくなった」「のどが痛いと言っても診てくれない」「熱があったら追い返される」ということが起こっているとわかりました。「聴診器一つで始まった(末光院長)」のが西郡の医療です。八尾北では、聴診器をあてる、のどを見る、おなかが痛ければ触ってみる(触診)、血液を採る、おしっこを採る、血中酸素濃度を測るなどの基本的な診察をきっちりやります。
これらの基礎的なもので、ウイルス性の熱か、細菌性の熱か、脱水症によるものかなど大まかな判断ができます。「風邪は万病の元」と言われるように、急変の可能性もあり変化を見逃さないように熱のある人をフォロー(電話をして数日間様子をうかがう)をしています。他の病院に紹介した人にも「受けてくれなかったら八尾北に電話して」と、最後まで対応しています。
「熱があるから(コロナ感染の疑い)診ない」ではなく、最初にきちんと診ることが大事だと、医師も看護師も職員全体が必要なものをもちより、創って自らの安全を守り、患者さんの診察にあたることができています。本当にうれしく誇らしいことだと感じています。
天然痘で隔離され必要な医療が受けられなかった西郡の歴史を塗り替えていけることは、八尾北で働く私たちにとっても喜びです。むしろこうした地域医療がどこでも大事だと訴え広げていきたいと地域医療交流会を行っています。
これからさらに、秋冬はコロナ感染とインフルエンザが同時に流行ることが予測されます。私たちは話し合って必要な準備をしていきます。一緒に乗り越えていきましょう。
八尾北で働く労働者のみなさん。患者と地域のみなさんへ。最後にお願いをさせて下さい。この間、生活の苦しさから診療を控えたり、さらにコロナ情勢の中で診療を控えることが増えています。経営的には非常に苦しい状況です。4~5月すでに500万円を地域と闘う仲間からのカンパをつぎ込んで乗り切っています。
給付金の支給にあたり、八尾北医療センター存続のためにカンパを寄せて下さるようお願いします。
2020年6月1日
八尾北医療センター労働組合
八尾北医療センター院長 末光道正